カテゴリー「知的財産」の記事

2016年7月21日 (木)

北東北3県の国立大と地方銀行3行が大学の知財活用に関する提携協定を締結

青森銀行、秋田銀行、岩手銀行、弘前大学、秋田大学、岩手大学の6者は、地方創生の取組みとして、大学の持つ新技術を地域の中小企業と連携して活用するための新しい取組みとして「ネットビックスプラス」を立上 げ、今般協定を締結したと、7月14日に発表しました。

https://www.a-bank.jp/contents/cms/article/20160714001/index.html

提携の内容は以下の通りです。

3大学の持つ、知的財産の統一データベースを構築。
地銀が仲介役となり、取引先企業が商品開発や新分野進出、生産性向上などのため大学の知見を活用できるようにするそうです。

(1)3大学の保有する知的財産等、研究成果等情報の地域企業への提供

(2)3銀行の顧客企業が保有する技術的ニーズの共有と6者連携による解決スキームの提供

(3)北東北3県の地域企業の新産業創出を目指した、産業振興および地方創生への支援

(4)その他、目的を達成するために必要な事項


●産学連携と資金供給

もともと、政策投資銀行などは、地域経済活性化、特に中小企業に対する支援などを積極的に行っていますが、今回のように地域密着型の金融機関の支援は今後も重要な役割を持つかと思いますが、大学の知財のデータベースがどのようなものになるのか、有効に機能するのか関心があるところです。

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2016年7月19日 (火)

米国の特許審査のパフォーマンス評価にみる地域間競争

2016年7月12日に日経BPのネット記事に

米国で活用が始まった特許実務のビッグデータ分析とランキング評価
http://chizai.nikkeibp.co.jp/chizai/etc/20160712_yoshida.html?bpnet

という題で、米国特許商標庁(USPTO)が2015年から公表している特許審査に関する履歴情報を、民間のデータ分析企業が分析し、審査官や特許事務所のパフォーマンス評価などのランキングを行っているという記事が掲載されています。

テックは知的財産にかかわる業務をしていることもあり、特許ランキングの内容自体にも興味がありますが、
今回、各州ごとにランキングが行われているということ自体、米国では州により規制や行政サービスが異なり、その間で競争が行われていることがうかがわれることにより関心を持ち増した。

●競争自身が生むサービスと競争の可視化
 競争市場では、顧客向けに他社より優れたサービスを提供するだけでなく、競争するプレーヤーや顧客自身が競争状態を可視化できるサービス(ランキングなど)も出てきますね。

 今回のような、ビッグデーターの活用や、AIの利用などでランキングや口コミといった、競争状態を可視化するサービスの状況を見ることで、その業界・市場では何が競争の要素となっているのか、どのような単位(今回の例では州別)で競争が行われているのかを考える参考にもなると考える次第です。

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2016年6月 9日 (木)

特許情報プラットフォームの改善計画

独立行政法人 工業所有権情報・研修館は、5月31日に、

今後の特許情報プラットフォーム機能追加・改善予定を発表しました。

【スケジュール1】平成28年 7月25日(月)
1.ワン・ポータル・ドシエ(OPD)の機能追加
日本の特許出願番号をはじめとする各国の文献番号から、対応する各国(欧州、米国、韓国、中国、カナダ、国際出願)のパテントファミリーの出願・審査関連情報(ドシエ情報)を一括して、PDF形式にて照会することができます。
2.TIFF形式イメージのGIF形式化

【スケジュール2】平成28年 12月末
1. トップページのレイアウト変更
現在のトップページからより使いやすく、わかりやすいレイアウトへ変更いたします。
変更概内容は以下を予定しております。

2. 特許情報固定アドレスサービス(試行)
メール等による特許情報の共有が容易となります。

【スケジュール3】平成29年 3月末
1.印刷機能の改善
審査書類情報照会で表示される書類、パテントマップガイダンスで表示されるFタームリスト、商標出願・登録情報の結果一覧等の印刷を、レイアウトが崩れることなく行えるようにします。
2.詳細表示(特許・実用新案)のユーザーインターフェース改善
特許・実用新案の公報の項目表示の際に、画面をスクロールしても「図面」「前の文献/次の文献」を常に表示するようにします。
3.パテントマップガイダンスの分類情報への直接リンクが可能
パテントマップガイダンスの分類情報への直接リンクが可能となります。

【スケジュール4】平成30年 1~3月頃
1.特許・実用新案検索機能の刷新
特許庁システムとの連携により、データベースの共通化と検索機能の追加・改善

同日、特許庁長官が特許情報の活用促進を呼び掛ける談話を発表していますが、
https://www.jpo.go.jp/shoukai/choukan/201605_saranaru.htm

特許だけでなく、商標は、サービスや商品の名称などを考える際には、称呼検索だけでもやっておいて、似たような商標が登録されていないか(商標は全く同じでなくても似ているだけで使えない場合があるので)、チェックしておく必要がありますね。

無料で使えるこのプラットフォームでもかなりのことが分かるので、ぜひ活用されることをお勧めします。

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2016年6月 7日 (火)

IOTセキュリティガイドライン案のパブリックコメント募集について

総務省及び経済産業省では、「IoT推進コンソーシアム IoTセキュリティワーキングルループ」(座長:佐々木良一 東京電機大学教授)における議論を取りまとめたIoTセキュリティガイドライン(案)について、平成28年6月1日(水)から同年6月14日(火)までの間、パブリックコメントを募集しています。

http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu03_02000107.html
ガイドライン案の概要は以下の資料をご参照ください。
http://www.soumu.go.jp/main_content/000421618.pdf

ガイドラインは、IoT機器やシステム、サービスの提供にあたってのライフサイクルとして
方針(分析、設計、構築・接続、運用・保守)における指針を定めるとともに、一般利用者のためのルールを定めたもので、

方針:IoTの性質を考慮した基本方針を定める
 •経営者がIoTセキュリティにコミットする
 •内部不正やミスに備える

分析:IoTのリスクを認識する
 •守るべきものを特定する
 •つながることによるリスクを想定する

設計:守るべきも のを守る設計を考える
 •つながる相手に迷惑をかけない設計をする
 •不特定の相手とつなげられても安全安心を確保できる設計をする
 •安全安心を実現する設計の評価・検証を行う

構築・接続:ネットワーク上での対策を考える
 •機能及び用途に応じて適切にネットワーク接続する
 •初期設定に留意する
 •認証機能を導入する

運用・保守:安全安心な状態を維持し、情報発信・共有を行う
 •出荷・リリース後も安全安心な状態を維持する
 •出荷・リリース後もIoTリスクを把握し、関係者に守ってもらいたいことを伝える
 •IoTシステム・サービスにおける関係者の役割を認識する
 •脆弱な機器を把握し、適切に注意喚起を行う

一般利用者のためのルール
 •問合せ窓口やサポートがない機器やサービスの購入・利用を控える
 •初期設定に気をつける
 •使用しなくなった機器については電源を切る
 •機器を手放す時はデータを消す

各指針等においては、具体的な対策を要点としてまとめるとしています。

●リスクマネジメントとビジネスチャンス
 現在ICTの活用が進む中でサイバーセキュリティーは企業にとって避けては通れない課題であり、今回のIOTのガイドラインもその流れの中で出てきたものですが、
直接IoTを事業分野としていない企業でも、一般ユーザーには立つ可能性が大きいため、こういったガイドラインの情報を押さえておくことは実際のリスクマネジメント上も重要であり、また取引先の信頼を高める上でも効果があるかと思います。

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2016年5月25日 (水)

特許庁からの商標出願に関する注意(5月17日)

先日の2016年5月17日に特許庁から、

自らの商標を他人に商標登録出願されている皆様へ(ご注意)

https://www.jpo.go.jp/tetuzuki/t_shouhyou/shutsugan/tanin_shutsugan.htm

との呼びかけがリリースされました。

以下にその一部を引用します。

「最近、一部の出願人の方から他人の商標の先取りとなるような出願などの商標登録出願が大量に行われています。しかも、これらのほとんどが出願手数料の支払いのない手続上の瑕疵のある出願となっています。

特許庁では、このような出願については、出願の日から一定の期間は要するものの、出願の却下処分 を行っています。

また、仮に出願手数料の支払いがあった場合でも、出願された商標が、出願人の業務に係る商品・役務について使用するものでない場合(商標法第3条第1項柱書)や、他人の著名な商標の先取りとなるような出願や第三者の公益的なマークの出願である等の場合(同法第4条第1項各号)には、商標登録されることはありません。

したがいまして、仮にご自身の商標について、このような出願が他人からなされていたとしても、ご自身の商標登録を断念する等の対応をされることのないようご注意ください。」

テックも、この「一部の出願人」による大量出願については知っていましたが、やっと特許庁も対応を取るのか、それとも「あきらめるな」のアナウンスで終わらせるのか気になるところですね。

出願料を支払わずとも、分割出願を繰り返すことで、無料で大量の出願をキープしている状況に対してどんな手を打つのか大変関心があるところです。

自社のビジネスや商品・サービスに関する商標を取られないとしても、先行して出願されていると、自社が出願しても登録されないと考えて別の名称を考えるなどする企業も多いのではないかと思います。

この状況に、特許庁が実効のある対応を打てるか、今後も注視していきたいと思います。

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2016年5月15日 (日)

「知的財産推進計画2016」の決定

 平成28年5月9日、安倍総理は、総理大臣官邸で知的財産戦略本部を開催しました。

 会議では、「知的財産推進計画2016」が決定されました。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/kettei/chizaikeikaku20160509.pdf

阿部総理は、

・第四次産業革命に向けて、ビッグデータの収集・利用を進めるため、著作物を一定の場合に自由に使えるようにするなど、著作権制度を見直す。

・今後、人工知能が作り出す音楽や小説などの創作物について、どこまで誰に知的財産権を認めるのか、検討を行う。

・地方・中小企業の知財戦略の強化を支援

などのコメントを発表しています。

本計画は以下のサイトに掲載されています。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/

●本計画の概要

第1.第4次産業革命時代の知財イノベーションの推進
1.デジタル・ネットワーク化に対応した次世代知財システムの構築

○デジタル・ネットワーク時代の著作権システムの構築(著作権が及ばない例外(権利制限)を認める柔軟性のある権利制限規定の具体化、許諾(ライセンス)の円滑化)

○新たな情報財の創出に対応した知財システムの構築(AI創作物や3Dデータ、データベース等の新しい情報財の知財保護、データ流通の円滑化方策の検討)

(出典:「知的財産推進計画2016」(ポイント)より、以下同じ)

○国境を越えた知財侵害対策

2.オープン・イノベーションに向けた知的財産マネジメントの推進
○オープンイノベーションのための産学・産産連携機能の強化

○地域・社会と協同した学習支援体制の構築

○人材育成
知財マネジメント人材、標準化人材等の育成

2.地方、中小企業、農林水産分野等における知財戦略の推進

知的財産活用のレベルに合わせて、

知財総合支援窓口等による知財相談機能の強化や

知財の権利取得から権利行使・活用まで一気通貫の海外展開支援強化を推進。

○オープン&クローズ戦略に基づく戦略的な標準化の推進

1.コンテンツ海外展開・産業基盤の強化

○コンテンツと非コンテンツの連携強化

○継続的なコンテンツ海外
○コンテンツ産業基盤強化等のための取組

2.デジタルアーカイブの利活用の促進

第4.知財システムの基盤整備
1.知財紛争処理システムの機能強化
知財紛争処理システムの機能強化と利用支援

2.世界をリードする審査の実現によるグローバル事業展開支援の強化
(人工知能の活用など)

●専門家である士業のかかわり方

 上記の取り組みについて、具体的な施策が今後出てくるわけですが、

その中で、データ活用や知的財産分野での専門家が必要とされる場面でいかにかかわっていくかは、ビジネスチャンスの面からも、中小企業や地域の支援の面からも十分注視していきたいところです。

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2016年5月10日 (火)

大日本印刷株式会社の家庭の省エネ対策とその効果を診断するシステム(日本ガス協会で受賞)

 大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、
東邦ガス株式会社、西部ガス株式会社と共同で開発した
家庭 の省エネ対策とその効果を診断するシステム「e(い)ごこち診断」が、
一般社団法人日本ガス協会主催の2016年度「技術賞」を受賞したことを2016年4月28日に公表しました。

http://www.dnp.co.jp/news/10122630_2482.html

省エネ診断システム「eごこち診断」は、2014年9月に開発されたもので、
各家庭の人数や使用機器の種類、利用状況等に基づいて
水道・光熱費のシミュレーションや設備性能を診断し、
省エネやCO2削減の対策とその効果などを提案するものです。

大日本印刷では、ガス事業者等に向けて本システムの販売を行っています。

●お手軽から詳細診断までのメニューそろえ

 この診断システムは、以下の3レベルの診断機能を有しています。

  • 省エネ鑑定 : 利用者の水道・光熱費を一般家庭の平均値と比較します。
  • ササッと診断 : 浴室やキッチン等の代表的な機器の省エネ効果を試算します。
  • じっくり診断 : 住まいの省エネ機器の効果を試算するとともに、設備性能(快適性、清掃性等)を診断します。

このように、簡単手軽診断したいというニーズから詳細な試算・検討までメニューをそろえておくというのは、省エネ診断のサービスのラインアップとして、どんなレベルのものをいくつそろえておくかと考える際の一つの参考例になるかと思います。

●サービス名称と知的財産

 この「eごこち診断」は共同開発者である東邦ガスがロゴで商標登録しています。

サービスの名称の保護は、そのサービスを実現させる技術の特許等による保護と一緒に、サービス開発の中で知的財産の面からも組織的に実施すべきものですが、

サービス企業の中で、このような知的財産の包括的な対応面で有名な企業としては、カブドットコムさんがありますね。

 商品・サービス開発とマーケティングの両面から包括的に知的財産戦略を考えて実施することは企業の大小を問わず今後さらに重要になっていくと考えています。

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2016年5月 2日 (月)

アイデア入力による特許検索サービス(サイバネットシステム)

サイバネットシステム(http://www.cybernet.jp/)から、4月25日より

アイデアに近い特許を一発検索して、マップ表示できる

簡易特許検索サイト「R&D Navi Lite」https://rdnlite.navi.cybernet.ne.jp)の無償公開が開始されました。

アイデアや課題などの自然文を入力条件として検索する事で、

約800 万件の特許の中から検 索条件と類似性の高いもの

上位100 件の特許情報を高速にピックアップし、

視覚的なMAP として表示することが できる簡易特許検索サイトで、

無償で簡単に利用できるため、研究・開発の現場だけでなく、

企画・営業などのビジネスの現場に至るまで、幅 広い職種・業種の方々が

特許情報を活用することが可能

とうたっています。

対象特許は、以下の通りです。

    日本国公開特許(1993~)
    公表特許公報・再公表特許(1996~)

●アイデア出しや、研究開発・技術提携に

 無償版(有償サービスもあり)なので機能は限られていますが、

現在、または将来の事業のための研究開発や技術調達を考えるときの

アイデア出し、競合またはアライアンス先を検討する際の参考とするには便利なサービスだと思います。

もちろん、他者の権利を踏んでいないかという侵害調査としては、もっと精密な調査が必要ですが、

このサービスで自分が考えている技術とかぶる他者特許が出てくれば、侵害調査の前に自分たちの技術アイデアを見直す機会になりますね。

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2016年4月29日 (金)

中国経済産業局の「これから取り組む共創ガイドブック」

中国経済産業局が

「平成27年度 IoT時代を担う企業間による新たな市場共創のための知財の在り方に関する調査事業」

の中で、共創ガイドブックというのを提供していたので、以下にURLを記載いたします。

http://www.chugoku.meti.go.jp/research/info_health/pdf/160428_1.pdf

これまで以上に、IT ベンダや組込みシステム開発企業とユーザ企業など、

多様な属性の関係者が、企画前の段階から共同でニーズの把握・掘り起こしを行い、

既存の枠に囚われない新たな発想や技術を形にしていく「共創」の取組が必要であり、

また、共創により生まれた成果や知的財産の取扱いについては適切な対応が必要

という問題意識から作成されたもので、

ベーシックな内容ですがコンパクトにまとまっていると感じました。

 

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2016年4月28日 (木)

国交省が策定した中小企業の知財を活用した海外展開戦略のガイドブックについて

国土交通省では、
中堅・中小建設企業の知的財産を活用した海外展開戦略の構築を支援するため、
知的財産の保護・活用方策や、中堅・中小建設企業等の取組事例を紹介するハンドブックを
公表しました。

http://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo13_hh_000416.html

http://www.mlit.go.jp/common/001129587.pdf

ハンドブックの構成は以下の通りです(国交相の上記のサイトより引用)
1.中堅・中小建設企業の知的財産を活用した海外展開に向けて
  ・海外における知的財産権の取得
  ・知的財産を活用したビジネスモデルの検討
  ・対象国において確認すべき知的財産に関する事項
  ・想定される知的財産リスクとその対応策 等
2.建設業の知的財産活用事例
3.中堅・中小建設企業の知的財産を活用した海外展開への支援事業
  ・海外展開に関する支援
  ・知的財産の海外展開に関する支援 等

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