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2007年1月30日 (火)

自分で作る?キャリアの複線化

最近、

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来城繁幸と、

日本の優秀企業研究―企業経営の原点 6つの条件新原浩朗
の2冊を読んでいます。



「なぜ若者は・・」の著作者は、富士通の人事部出身で、ベストセラー「内側から見た富士通「成果主義」の崩壊」などで皆さんもよくご存じかと思います。

「日本の優秀企業研究」は2003年に日本経済新聞社よりハードカバーで出版され、非常に注目を浴びたビジネス書の文庫版です。

テックはハードカバーが上梓された時に、著者の新原さんに勤め先の講演会で講師をお願したことがありますが、非常に明快で分かりやすくお話していただいた記憶があります。

 この2つの書籍は、それぞれ日本企業の人事制度やキャリアデザインを考えるうえで大変参考となる本ですが、今回テックが特に興味をひかれたのは、両者とも「複線キャリアを企業が用意すること」を会社および社員の成長、幸福等のために必須の要件として上げているところです。

 従来の「年功型人事制度」と「成果主義型人事制度」の優劣論争と比較すると、

正:年功(能力)主義
反:成果主義
真の問題:単線キャリアによる社員の多様な自己実現の疎外

合:複線キャリアによる成果主義

という、いわば弁償論的キャリアデザイン論ととらえることができるかと思いました。

 この「複線キャリア」を実現するには、

 マネジメントの職務を思い切って若い人に任せる(昇格させずに)というのは、有効な手段かと思います。

 権限委譲は、フラットで意思決定の早い敏捷(アジル)な組織とするための重要な手段とされていますが、「複線キャリア化」を見すえて進めることで、マネジメントポストを過去の業績への報酬の手段から切り離し、純粋に企業内の機能の一つと位置づけることで、マネジメント(主に人事管理)以外の業務・機能による自己実現の機会を社員に提供することが可能になるのではないかと考えています。

<資格で作る「自分複線キャリア」>

 上記のような「複線キャリア」は城氏述べているようにまだ少数の企業しか取り組んでいないようですし、実現に取り組むことは中々困難ですが、資格を取って社外でも活躍の場を広げることは、いわば「自分複線キャリア」とでも呼べるのではないでしょうか。

 例えば技術士の資格を取得し、技術士会他のネットワークで活動することで、技術者としてのキャリアアップを社外でも進めることができるのではないかと思います。

<いかに「仕事を面白くするか、面白い仕事を作り出せるか」が根源>

虚妄の成果主義―日本型年功制復活のススメ」などでも取り上げられているように、成果主義が日本企業に導入された目的は「総人件費の低減」と「社員(特に優秀な)へのインセンティブ付与」の両立ですが、意地悪い見方をすれば、

「総人件費を下げる理由(責任)を経営から社員に添加する」手段として使われている例も多いように見受けられます。また、インセンティブ付与の面では、「面白い仕事が不足した」ために、仕事でインセンティブを与えられなくなり、金銭的報酬に走った面もあるかと思います。

「人材の能力向上には、知識取得よりも経験取得が重要である(人材開発は経験開発)」「報酬よりもよい仕事(能力発揮や成長の機会)を与えることが社員の士気向上にはより重要」ともいわれますね。

 数年前に、慶応大学の樋口先生から、

「日本では人事面での状況変化はIT産業に先進的に現れるので注目している。IT産業では、自分がこの会社でどれだけ成長の機会、場を得られるか、勉強する機会があるかを金銭的報酬以上に重視して就職先を決める傾向があり、この傾向は他の産業にも今後広がっていくのではないか」

とうかがったかとがありますが、いかに社員に成長の機会を与えられるかで向上心にあふれた学生を引きつけられるか、採用後も引き留められるかどうかが決めるという傾向が他の業界にも広がってくるのかどうか注目したいところです。

★☆最後までお読みいただき、大変有難うございます(*^^*)☆★

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